あたし、猫かぶってます。


 「これが結衣?幼い、可愛い!」

 知奈ちゃんに可愛いって言われると、なんか恥ずかしい。なんでかは分かんないけど。


 「てか麻紘と結衣って同じクラスだったんだ。」

 早瀬の言葉で思い出す。そういえば、何気に3年間同じクラスだったよなぁ。絡み出したのは中2だけど。


 「3年間一緒だったよ。」

 麻紘くんはフワリと笑いながら答える。なんか今更だけど、早瀬と麻紘くんって正反対だよね。


 「中学の時の結衣ってどんな感じ!?」

 キラキラした目で麻紘くんに聞く知奈ちゃん。めっちゃ可愛い、この顔。

 麻紘くんは少し照れたような表情をして、口を開いた。


 「結衣ちゃんはすごい頭回るし、運動神経良かったし、可愛くて言うことナシだったけどーーー」

 チラッとあたしを見る麻紘くん。え、もしかして…


 「麻紘くん、言っちゃダメ!」

 嫌な、予感がする。


 「めちゃくちゃ、カナヅチだった。」

 真顔の麻紘くんに、唖然とする知奈ちゃんと早瀬。それから真っ赤になる、あたし。


 仕方なくない?人間得意不得意あるじゃん。


 「結衣ちゃんプライド高いから水泳はいつも休んでたんだよね。」

 それから知奈ちゃんと早瀬と麻紘くんで、中学の話やあたしのバカな話をたくさんした。




 「あ、ジュース無くなるから買ってくるよ。」

 麻紘くんが、そう言って立ち上がる。


 「あたしも行く!」

 面倒くさいの嫌いだけど、知奈ちゃんと早瀬に仲良くなって欲しい。あと、麻紘くんに「ありがとう」ってちゃんと言いたいし。


 「んじゃ、ちょっと行ってくるから。」

 あたしは、麻紘くんとお買い物。知奈ちゃんは早瀬と仲良くなる。これで完璧!


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