あたし、猫かぶってます。
結構まじで、あたしは恋愛初心者ではない。
奏多の他にも過去に付き合っていた人居るし。しかもちゃっかりイケメン。
「早瀬よりは、絶対恋愛上級者!!」
棗ちゃんと早瀬をみる限りでは、絶対あたしの方が優勢。それに奏多とはキスだってしたことあるし。
「上級者は味噌汁作って下さいなんて言うのを一番好きな奴に求めねぇよ。」
呆れた顔なのが、ちょっと…かなりムカつく。
あくまで理想は理想。別に奏多にこれを求めているわけでもないし、そこまでお姫様思考でもない。しかも、
「理想なんだからあたしの勝手だし!てか、あたし奏多が一番好きなわけじゃないし!」
思わず叫ぶように早瀬に言う。あたしの声が4人しか居ない教室に響いて、雑誌を見ていた知奈ちゃんと、知奈ちゃんを見ていた麻紘まであたしに注目。
「は?誰?」
一番先に口を開いたのは早瀬。あたしに顔を近付けて、あくまでクールに問い詰める。
「今言うの!?ーーみんな居るのに!?」
みんなの前で告白するようなものじゃん!
躊躇うあたしを見て、早瀬は追いつめるようにあたしの耳元で囁く。心無しか楽しそうに。
「いいから、言えよ。」
恥ずかしい、けど。ーーー言っちゃえ!
「あたしの一番好きな人は、」
1人しか居ないよ。奏多も大切だし大好きだけど、あたしにとって今一番の支えになっているひとは、
「知奈ちゃんだよ。あ、レズとかでは無いから。」
慌てて否定。ヤバい、恥ずかしすぎて知奈ちゃんの方見れないんですけど。