あたし、猫かぶってます。


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 「で、結衣ちゃん。なんで俺をさっきからチラチラ見てるのかな?」

 早瀬結衣は、秋村家なう。


 「いや、かっこいいなーって思っただけ。」

 奏多のベッドを占領しながら、奏多を凝視。いや、確かにかっこいいんだけどね。


 奏多と付き合ってやる!ってヤケになって、奏多の家に行ったはいいけど、早瀬があたしを諦めないから奏多と付き合うって、なんか…違うよね。


 「なーに隠してんの、結衣。」

 奏多がそんなあたしの異変に気付かない訳が無くて。優しい瞳で、問いかけてくる。


 「えっとね、早瀬に…」

 そこまで言って、気付く。早瀬と奏多、なんかあんま仲良くないじゃん!キスされたなんて言ったら、また2人の溝が深くなるに決まってる!!


 「早瀬、くん?」

 早瀬の名前にピクリと反応する奏多。


 「早瀬ってさぁ、まだたまに喧嘩とかしてるらしくて…」

 嘘は言ってない。話をすり替えただけだもん。



 「ね、結衣。」

 そんなあたしに、奏多は満面の笑顔を向けて、


 「早瀬くんと何があったの?」

 なんて問いかけてくるから、圧力に押されて、あたしは告白のことやキスのこと、知奈ちゃんの好きな人は誰かとか、ぜーんぶ話してしまった。


 なんか、早瀬ごめん。ご愁傷様。


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