片想い協力者は無愛想ヤンキー!?(番外編)
『とりあえず、謝りに行きましょう!!』
そう言ってさっき来た道に俺を引っ張る女。
『は!?なんで!?』
そう言うと俺の顔を見る。
『なんでって…言いすぎだからです!!確かに助けて頂いたのは嬉しかったです。だけど『二度と現れるな』はさすがに可哀想ですよ!!』
『はぁ!??』
ナニコレナニコレ。
俺は君を助けてあげたんだよ?
その展開はなくない?
『ちょ、ちょっと待って。あの子達に酷いことされたんだよ?君。』
『まだされてません。』
『あー、うん。そうかもしれないけどね、ここはあの子達の為にもそっとしておいてあげるのが筋ってもんじゃない?』
そう言うと女は、んーと考え始めた。
『そうなんでしょうか?』
『そ、そうだよ!』
『……そうですか。』
俺の手をパッと離すと『ありがとうございました!』と言って去ろうとする。
え、もう帰るの?
仮にも俺のファンなんでしょ?
君の好きな相澤先輩なんでしょ?
あぁ、もうムリ。
『アハハ!!』
俺は堪えられず笑った。
女はビクッとして数メートル先で立ち止まる。
『あー、君最高。なんて名前?』
『1年の杉田葵です…。』
『葵ちゃんね?俺の名前はー『相澤七瀬』』
葵ちゃんは俺の方を向いてニコッと笑った。
『知ってますよ。大好きですもん。』
そう言うと走り去った。
杉田葵ちゃん。
どうしようか。
俺はその子の笑顔を見て恋に落ちてしまった。