ここに在らず。
ーーその夜、私は気づくとトウマさんの所に訪れていた。
あれ?なんでだろう?何て思いつつ、私はいつものようにトウマさんの隣に腰を下ろす。
いつも何かある度にトウマさんに話したいと思い、その延長線上にこの夢を見るけれど、今日は特に何かを思った訳でも無い。でも私はここに居る。
「……何故だろう」
「何が?」
「え?」
すると隣には訝しげにこちらの様子を窺うトウマさんの顔。何が?何故?そう、今はトウマさんの夢を見ていて、だから何かトウマさんに言いたい事が…
「…あぁ、えっと、今日もお時間頂けますか?」
「……あぁ」
そう、まずはこれを言わないと。それで次は今日あった事を……今日あった事……それは、
「……彼は、ナツキさんとおっしゃるそうです」