ここに在らず。
思い切って聞いてみた。じゃないとなんでわざわざそんな事をトウマさんが聞いてきたのかが分からないから。
…でも、トウマさんはいつもトウマさんだ。
「そんな事は無いよ。言っても言わなくても、それは君の思い次第だ」
優し気な雰囲気でいつものように彼は言う。
私の行動に彼は制限をしない。私はどう思う?そう彼はいつも私に問いかける。
「君の事は、君だけが決める事が出来る」
そしてそれは難しい事なのだと、これもまた最近の私が分かり始めた事実。
その後、ボンヤリと何かを考えるような表情で空を見上げたトウマさん。私はそんな彼の横顔を眺めて、少しだけ寂しさを感じた。何故かは分からないけれど、その寂しさはトウマさんが私の中に作り上げたもの。
でも寂しさの意味は、これもまたさっぱり分からない。