ここに在らず。
こんな事はまず他人に話さない方が良い。こんなのただの頭の可笑しい人間だ。痛くてたまらない人間だ。でも、それは結局本当の私で、だからこそ話してみようと思った訳で…でも!
なんて、これもまた久し振りな終わらないループに片足を踏み込んだその時、
「…なるほどな。夢の中のトウマさん、ねぇ…」
なんて、ジッと私を見つめて動かなかったナツキさんが、その緊張感のようなものをふと和らげた。
「それが、あんたの望みだった訳だ」
「…え?」
そう呟いたナツキさんは「なるほどねぇ…」なんて言いながら視線を宙に泳がせ、私にはそれが何かを考えているような素振りに思えた。
…でも、だとしても、ナツキさんのその呟きの意味が私にはよく理解出来ない。