ここに在らず。
だからナツキさんはトウマさんの気持ちも知っていて、夢だと思っていて欲しいと思うトウマさんの気持ちを知っていたのに、それなのに私に現実だと教えてしまった事に対して謝ったんだ。つまり、私が知ってしまった事で今までのものを壊してしまったと、そういう事をナツキさんは言っていたのだろうと……
…ということは…今までが壊れてしまったという事はそれって、夢だと思う私だからトウマさんはあんな風に優しくしてくれていたのであって、現実だと知ってしまった私にはもう…今までと同じ様な対応は、してくれない……と、確定してしまったと、そういう事なの…?
気づいてしまったそれに、私はもう、怖いとしか思えなかった。
…すると、いつの間にかもうそこまでやって来ているそれ。私はそれの名前を知っている。