ここに在らず。


込み上げてきたそれを吐き出す。…嘔吐した。どうして?どうしよう。なんで?嫌だ!それを頭で思いながらも身体は欲求に素直で、私の意思も無くそれは続けられる。


涙が出ていた。きっと嘔吐による、生理的な現象だ。…それなのに、


「うぅ…グスッ……おえ…っ……グス」


止まらないそれのせいか、私はとても悲しくて虚しかった。受け入れるしか無いと分かっている私に、そんな感情は無意味だというのに…涙と共に、止めど無くそれは溢れてくる。私は、泣いている。


「…グスッ…ふぅぅ…」


気づくと嘔吐は止まっていた。でも…涙は止まらなかった。

< 224 / 576 >

この作品をシェア

pagetop