ここに在らず。


名前を口にする。もしかしたらこれはまた夢かもしれない。でも…それでもいい。


「トウマさん…トウマさんっ」


今ここにーーあの日の彼が居る。


「助けて、下さい…私を…私を、ここから出して下さい」


ここは、暗くて何も見えないんです。誰も居ないんです。私一人では出口が見つからないんです。頑張ったのに、一生懸命探したのに、どうすれは良いのか考えたのに…でも!


「私には、どうする事も出来ない…!」


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