ここに在らず。
……あれ?
ここは…どこ?
ゆっくりと上半身を起き上がらせてキョロキョロと確認するそこは、やっぱり知らない場所。知らない部屋のベッドの上。
…そうか、夢じゃなかったんだ…。
夢を見るように頭の中で浮かびあがった出来事。あれは昨日の出来事で、やっぱり現実だったらしい。車に乗った私はあのままここへ連れて来てもらって…それからの記憶が無い。あれからどうしたのだろう。一体今、私は何を…
と、その時。突如コンコンと扉をノックする音が聞こえてきて、私はハッとそこへ目をやる。すると静かに扉は開かれて、そこから見知った姿が現れた。