ここに在らず。
「どうしよう…」
…すごく悩んだ。また様子を見に来てくれるかもしれないしと、それまで待ってみようかと思った。でもわざわざ来させるなんて悪いし、寝たふりをしているのもちょっと…とも思った。
すごくすごく悩みつつ、ふらりとしながらもベッドから抜け出して扉の前に立つ。そしてその場でまたすごく悩む。うーん、どうしよう、どうしよう…
と、その時。扉の向こう側からパタパタと足音が聞こえてきた。それにトウマさんだ!と思った私は、あれだけ悩んでいた事が嘘のように自然と扉を開けて外に出る。
「トウマさっ…ん?」
「お、起きたんだな。元気になったか?」