ここに在らず。
すると私の答えを聞いたナツキさんは、「そりゃあ良かった」と、ニッコリ笑ってくれた。その反応に私は、心配してくれていたのか!と、なんだか感動のようなものを抱き、心がジーンとしたりする。
「…まぁ、でもあんたが起きたの黙ってる訳にもいかないし、とりあえずトウマさんとこ行くか」
そしてついて来いと廊下の奥へと進むナツキさんに私もついて行こうとして…その瞬間、ハッと重大な事実を思い出し、「あの!」と彼を呼び止める。
「ん?なんだ?」
「…えっと、ここは…何処でしょうか?」
「え?あぁ、ここ?ここはトウマさんちだよ」
「え、トウマさんち?…というのは、トウマさんの家の事ですか?」