ここに在らず。


「仕事部屋という事は、トウマさんはご自宅でお仕事をされているんですか?」

「いや、半々かな。ここでもやるし、仕事場でもやるし」

「…どちらでもされるんですか。一体どんなお仕事なんですか?」

「ん?まだ聞いて無かったのか?トウマさんは服とか靴とかのデザインをする仕事だ。つまりあれ、デザイナー?」

「デザイナー?」

「あぁ。ほら、きっと出てくるぞ」


そう言ってナツキさんが目をやる先、先程ナツキさんが指差した扉がガチャリと音を立てる。

そして開いたそこから現れたのはナツキさんの言う通りトウマさんで、ナツキさんは「ほらな」と、なんだか自慢げに私に笑ってみせた。

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