ここに在らず。
「では…私は一体、どうやって公園まで…?」
なんだか怖くなってきて、私は恐る恐る尋ねてみた。記憶が無い。そこだけすっぽりといつも抜けているのだ、行きと帰りの方法だけが。それに今更ながらも恐怖を感じる。これはきっと…いや絶対可笑しい事なはず。
「……」
すると、そんな私の様子にやはり感づいたトウマさん。彼は少し言い辛そうにしながらも…重々しく、その口を開いた。
「…君は、いつも歩いて来る」
「……はい?」
「君は誰に連れられるでもなく…たった一人で、いつもの場所まで歩いて来るんだ」