ここに在らず。


「…そうですね」

「だから、それともまた違うのかなとは思う。…でも、ただ一つ気になるのが、ある程度の会話をするといつも君は急にパタリと眠ってしまうという事だ」

「え、急に?眠ってしまう、ですか?」

「あぁ。普通に話していたのに急に話さなくなったなと思うと、君はいつも眠っているんだ。だから帰りは俺が送っていたんだけど、それを思うとやっぱり、君のそれは眠りの中の間の出来事なんだろうと思う。意識があったにしても、だ」

「……」

「…まぁ、何にしても詳しくは分からない。来る時の意識は完全に無いというし…君の置かれている環境からみてストレスか何かからきている物ではないかと思うけど、調べた訳でも無い今は特殊だとしか言いようが無いのが現状だ。そんな君は帰りは完全な眠りについていて、そうなるともちろん記憶もない。だから君には行きと帰りの記憶が無い」

「……」


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