ここに在らず。
「…では、何故私はその後も…トウマさんが何とか出来なかったという現状の中で、トウマさんと会う事が出来たのでしょうか?あれも全て現実なのに…」
そうだ。トウマさんはもう私と接触しないと約束していると言っていたけれど、私達はあれから頻繁に会うようになったはずだ。帰りの私が眠っているせいでトウマさんはいつも送ってくれていたとするのなら、その事実を本邸の人達が知らないはずが無い。
訝しげにトウマさんを見る私。するとそんな私にトウマさんは「あぁ。そうだな」と小さく頷いてみせる。
「そこで話はやっと始めの部分に辿り着く。言っただろう?あれは夢だったから、君と会えたと。現実だとしたら君とは会えてない。何故なら言った通り、君と接触しないという約束があるからだ」
「?、だからその…夢というのは一体…?」