ここに在らず。
現実なのに夢。何度聞いても良くわからない。でも、そこには色々な思いが交錯してるのだろうと、トウマさんの言葉から思う。そして、
「それは、現実の中の夢という区分。それが出来たのは君とその次に会った時。君が俺にこれは夢かと尋ねた時だ」
それは、ついに私の中にあった一番の疑問点に辿り着いた瞬間だった。ハッとして身構える私に、変わらず向けられるのは真剣な、真っ直ぐなトウマさんの瞳。
「接触しないと約束はしたけど、俺は君に会いたかった。それにやっぱり約束を守りたくて、どうすれば君を自由に出来るのかと考えていた。だからもしかしたらまた、と。いつかそんな日がと思いながら、あの公園で君を待った。…すると、君は現れたんだ、あの日とまったく同じように」
「……」