ここに在らず。
あなたはずっと、ずっとこんな私を想ってくれていた。それなのに私は…こんなにも私の事を想ってくれていた人を疑い、その責任をなすりつけてきたんだ。疑う事で私は、私の世界を守ろうとしてきたんだ。
気づいた事実に、私は目眩がする。世界の色が変わる。私は、私は最低だ。
そうだった。確かにあの時、私が夢だと決めたはずだった。トウマさんはどう思う?と、私に尋ねただけで、私はそれを分かっていたはずなのに、あの時どうだろうと、その後の未来を作っていったのは紛れも無く私だった。
それなのに自分で都合の良いように作っていった世界が崩れた時に、私はあの時止めてくれなかったのがいけないと、なんで教えてくれなかったのだと、嘘をついたのだとトウマさんのせいにして、どうしようも無い自分の行いから目を逸らして来た。