ここに在らず。
安堵感は確かにある。あるけれど、それ以上に感じたのは焦燥感。それと同時に微かな…絶望感。
そしてその原因は、頭の中に一つの言葉となって浮かび上がり、声となった。
「私は…見捨てられたのでしょうか…?」
ついに、あの人達に。
別に良い。私にはトウマさんが居る。だからそんな事はもう良い…はずだった。
辛い事ばかりだった。あそこには私の居場所なんて無かったのだから。でもいざ、そこから出て、それが仕向けられた事だとしたのなら…私は、私の気持ちとしては…本当に、
「…何故でしょうか。助けてと頼んだのは私で、今ここに居る事にホッとしているはずなんです。それなのに何故か、私はすごく……寂しい」