ここに在らず。
「…トウマさんのお誕生日は、いつですか?」
私は、運転中の彼に尋ねてみる。すると「実は君と同じ月で、9月の6日なんだ」と、前を向いたままながらも答えてくれた。その言葉に私は、確信する。
「そうですか。だったら私の誕生日も6日にします。そうしたら毎年二人で一緒に誕生日を迎えられますね」
「その方が喜びも二倍です」なんて言った私は、きっとそう決まっていたんだ、と心の中で思った。
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