ここに在らず。
血の気が引いた後、冷や汗がツーっと伝う。ヤバイ、帰ろう。離れに一度帰らないと!
「あのっ、私一度、」
「あぁ、そうか。言い忘れてた」
それは、全く同時だった。私とトウマさんは同時に話し出し、そして口を閉じたのは私の方だった。
「生活費はこっち持ちの約束…というか、俺が君の保護者代わりになるから、これも当たり前の事なんだ」
「……え?」
…思わず、瞬きも忘れてピタリと固まる私。その間も頭の中ではその単語がぐるぐると巡る。
保護者?
トウマさんが私の……保護者?