ここに在らず。


そんな寝起きでイマイチ回転の悪い私の頭に、何でも分かるのではと思う位にサラッとトウマさんは、私の知りたい答えを聞かずとも教えてくれた。そして、


「あぁでも、それなら君をわざわざ起こさないでそのまま部屋に連れて行っても良かったな。そこまで気が回らなかった」


なんて、少し申し訳なさそうに私に言う。それに「あ、いえ、そんな事は…」なんて答えながらも私は、「ん?」と一つ、疑問に思う。


「あの、起こさずに部屋へ連れて行く…というのは…」


どういう事ですか?というか、どうやって?


そんな方法が存在するのか!なんて驚いて尋ねる私。どんな最先端技術が?とすら思う私にトウマさんはまた、当たり前のように教えてくれた。


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