ここに在らず。
未来を見ること

私の甘え







ーーその夜、ナツキさんが夕飯を作ってくれて、三人でそれを食べる事になった。

それは本当に美味しくて…なんというか、家庭的な味だった。そんなナツキさんはどうやら料理が得意ならしく、聞いてみると、普段からトウマさんとの二人分を作って食べる事がよくあるそうだ。


「だからな?結局トウマさんの世話係でもある訳なんだよ、俺は」


なんてこっそり、後片付けを手伝いながらキッチンの流し台の前で教えて貰った。トウマさんは手がかかるのだと、ナツキさんはやれやれと言った感じで私に言う。でもそれはやっぱり、トウマさんに聞こえないようにこっそりと小さな声でだった。


そんな風にこっそりと文句を言いながらも、本気で嫌がっているようには見えない彼。二人の関係は一体何なんだろう。上司と部下…だろうとは思うけれど、なんだかそれ以上に親しげではあると思う。…うん。今度聞いてみようかな。


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