ここに在らず。
なんて、ちょっとよく分からない挙動不審感を出しながらも、私は笑ってその場をやり過ごした。話しながらも歩き続けていたため、そろそろ校門に到着する所まで来ている。
「あ、あの、ここで結構です!ここから一人で行きます!」
ナツキさんにストップをかけて、私はナツキさんの前へと回り込む。よし、ここからが本番だと、私は気合いを入れた。
「ありがとうございました!いってきます!」
ペコリと頭を下げると、ナツキさんが少し戸惑いつつも、「あぁ、頑張れよ」と、困ったように笑いながらではあるけれど言ってくれた。
「はい!頑張ります!」
そう言って、私は走り出す。走って向かって、勢いに乗りたかった。