ここに在らず。
今の私を支えるのは結構勢いの部分もある。先程ナツキさんが言っていた、“あんたはグダグダ考えてるんだろうな”という言葉。正にその通り、そうして私は私の中の暗い部分へとどんどん引き摺り込まれていくのだと思う。
間違えないように、失敗しないように、いつもルールを確認して生きてきた。一度間違える事はやり直しのきかない事だとも思っていた。でももういいじゃないか。失敗してもいいじゃないか。失敗しても、間違ってしまっても、私を想ってくれる人が居る。私を正してくれる人が居る。だから私は、私の想いを、私自身を信じてみる。
私は、対等になりたい。
前にトウマさんがフードを被る理由を教えてくれた。あの日私は、彼の手を引きたいと思った。孤独に怯えるあなたの手を、今度は私が引きたいと。私がトウマさんを守りたい、その想いは真実だった。