ここに在らず。
次の手段
校舎に入り、教室へと向かう。
心臓がやけに動く。バクバク激しいこれは先程走ったからか、それとも…
教室のドアは開いていて、何事も無かったかのように私はそこへと一歩踏み出す。当たり前の顔をして、いつも通りに、普段通りの流れにのるように、私は変わらず用意されていた私の席へと着く。
私が教室へ入った瞬間、多少の視線を感じた。「ねぇあれ」と、隣の人へ声をかける、そんな様子が見て取れた。それに私は…妙な感覚を得る。
嫌だった。興味を持たれず無視される。私の存在を無いものとするこの場所、それが当たり前とされるこの場所、それが嫌でたまらなかった。でも私はそれ以上に、私を見て反応を示す人、私の話をする人が嫌だった。