ここに在らず。
…まぁ、だからといってなんだと言うわけでも無く、何かしようと思っている訳でも無い。でもただ、そう少しだけ感じた。もしかしたらここも変わる事があるのかもしれないと、漠然とそう思ったりした。
変わりたい、変わるんだ。
生まれてくるべきでは無かったと思う私から、生まれてきて良かったと心から思える私に、そんな私になれる、そんな気がする。
どこまでも前向きに…未来の事を考えて、生まれの事まで思いを巡らせたその時、私は気がついた。そうだ、そういえば、もう少し経ったら9月…
トウマさんと私の誕生日が、やってくる。
ーー無事に本日の学校生活を終えて校門から外へ出ると、そこではナツキさんが待機していた。それを確認した瞬間、私は自然とそこへ向かって駆け出した。