ここに在らず。
「あるんです!変わって成長して対等になって傍に居られるようになりたいんです!それは私にとって譲れないんです!」
なんて、すっかりヒートアップした私は「分かりますか⁈ 分かって貰えますよね⁈ 」と、思わず立ち上がってナツキさんへと同意を求める。
するとナツキさんは、軽く身を引きながら両手で「まぁまぁ」と私を宥めたのだけれど、そんな彼の顔はなんだか引きつっていて……これは、絶対に分かってない。面倒な事になったと思っている顔だ!
「分かった分かった、分かったから」
「いえ、分かってません!そんな顔して…というか先程から返事も適当だし、どう見ても面倒臭がってるじゃないですか!私だってそれくらい分かってますよ!」
「……」
「ほら!それは無言の肯定です!」
「…いやぁなんか本当、すごいよあんた。人はこれ程までに変わるものなのか」