ここに在らず。
「あんたにこんな風に噛みつかれる日が来るなんてなぁ…」と、私の様子にどこか感慨深く感じているようなナツキさん。そしてそんなナツキさんの言葉に私は私で自分を見つめ直す瞬間に出会ってしまったりして…
「……す、すみません…」
やり過ぎ感に、ガックリと肩を落とした。すると本日二度目のナツキさんからの「まぁまぁ」と私への宥めが入る。
あぁ、つい力が入り過ぎてしまった…恥ずかしい…。
「でもアレだな。俺に噛み付いたとしてもさ、まさかトウマさんの愚痴を言うなんてな。すっかり慣れてきたんだろうなぁ、あんた」
「…そうでしょうか。まぁ…そういう事なのかもしれませんね…」
「お、おいおいっ、落ち込み過ぎだろ。つーか落ち込む事ないだろ、成長だ成長。あんたもどんどん成長してんじゃん」
「…そうですか?」