ここに在らず。
それを始まりに、私の想いはどんどん溢れ出てくる。
ずっと閉じ込めていた気持ちが言葉になり、口から声に乗って飛び出してくる。
私はそれを止めようなんて少しも思わなかった。それはまるで呼吸のような、自然でいてかつ、必要不可欠な物のように思えて、そしてーー、気づけば私は、私の全てを告白していた。
トウマさんに会う前の事。会った日の事。会ってからの事。生い立ちから何から恥ずかしげも無く全て。今まで禁じられていた本邸の人達との事も全部。お仕置きの事すらも話したと思う。
何をどう話したかは覚えていなくても、兎に角全てを言い尽くしたのは覚えている。考えもせずに口がどんどん動いて、それをジッと見つめる瞳に向かって必死に伝えていた。
そして、それに彼が「分かった」と一言、最後に告げたのを覚えている。