ここに在らず。

誕生日のプレゼント






トウマさんの求めていた私。その私がもし違うものへと変わってしまったとしたら、トウマさんはそんな私をどうするつもりなのだろう。


それを知るまでの私は兎に角変わりたくて仕方なかった。トウマさんと対等に付き合えるようになりたいと思っていて、だからたとえ今トウマさんがそれをよく思っていなかったとしても、その先はトウマさんへと繋がっているのだから、今だけのほんの少しの辛抱だと。それくらいの認識でしかなかった。でも…現実は、違っていた。

トウマさんは初めて会った時の私、そして変わろうとする以前の私に価値を見出している。だから変わろうとする私に難色を示した。トウマさんにとって変わってしまう前の私には価値があるけれど、変わってしまった私には何の価値も無い。それを私は…ずっと、勘違いしていたのだ。


…だとしたら、もし変わってしまったとしたなら私は、一体どうなってしまうの?


またあの頃のような生活が始まる?

もしかして、もうここには置いて貰えなくなる?

それってつまりーー


ーートウマさんに、見捨てられるという事?



私はーーなんだか、目が覚めたような気分だった。





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