ここに在らず。
なんだろう?プレゼントなんて初めてだ!用意してるって一体どんなものなんだろう!
ワクワクしてウキウキして、つい顔が緩んでしまった。私の誕生日か…わざわざ覚えていてくれたなんて本当にありがたい!私は嬉しさで胸が一杯になる。
…よし、私もトウマさんを喜ばせるぞ!きっと喜んでくれるはず!
帰って来てこれを見た時のトウマさんを思い浮かべて、私は更に胸を弾ませた。先程までの暗い気持ちは、いつの間にか何処かへと消え去っていた。
「よし、ナツキさん!頑張って上手に作りましょう!」
「…そうだな、元気が出たなら良かったよ」
「ん?」
「まぁでもまだ焼き上がって無いし、その後冷まさないとなんないからな。まだまだ気合いはとっといてくれよ」
「はいっ、了解です!」
ーーそして迎えた、トウマさんの帰宅時間。私はバッチリ仕上げたケーキと共にトウマさんをお迎えし、「すごいな」と、トウマさんからまず第一声、驚きの言葉を頂いた。