ここに在らず。
「?、開けても良いですか?」
「あぁ、どうぞ」
その返事に私はそっと箱を開ける。パコン、と手前側が縦に開いたその箱。中には銀の細工が施してあるパールのネックレスが入っていた。
「うわぁ、素敵だ…」
取り出したそれはチェーンの部分が細く華奢で、大き過ぎない大きさのパールの存在感を上手く引き出していた。そしてそのパールはぐるりと一周花の茎を型どった銀の細工がされていて、茎の先には小さな花が咲いているデザインだった。
「気に入ってくれた?」
「はい!とっても…で、でも、もしかしてこれって、すごくお高いものなのでは…」
「いや、俺がデザインしたんだ」
「そ、そうですか…って、え!デザインした⁈ 」