ここに在らず。
私は思わず「そ、それってトウマさんがデザインされたと、そういう事ですよね⁈ 」と、目を丸くしながら確認する。するとトウマさんでは無い方向からクスリと笑う声が聞こえてきた。
…ナツキさんだ。
「…ナツキさん?なんで笑うんですか」
「いや、いいから続けなって」
なんて言いながらも、ナツキさんはまだまだ笑いを堪えたような表情をしている。ナツキさんめ…と心の中で思いながらも、今はそれはしまって置くことにして、言われた通りにまたトウマさんとへと向き直った。
「デザインって…あぁそっか。そうですよね、トウマさんのお仕事はデザイナーさんでしたもんね。そうか…」
「そう。だからサエをイメージして作ったんだ」
「そうですか、私をイメージして……え、私をイメージって…これって売られている物…ですよね?」
「いや、これは商品になってないよ。君のために作ったものだ」
「え…?」