ここに在らず。
そしてもう一度、私はネックレスへと目を戻して、ジックリと手の中のそれを眺めてみる。…華奢な作りに、上品なパール。そしてそれを守るようにとも、力にして育ったようにとも思える銀の花の細工。
これが私のイメージ…
トウマさんから見える私…
…素敵…
トウマさんが私の事を思い浮かべて私のために作ってくれたこれが、こんなに素敵なものだなんて。
これがトウマさんの目に映る私だなんて。
「あ、ありがとうございます…トウマさん…」
感動で、涙が出そうだった。でもグッと私は持ち堪え、だからお礼を言った声が少し震えてしまった。でもきっと気づかれてはいないだろう。