ここに在らず。
「…おはようございます。もちろん覚えてますよ、昨日の今日ですから。何があるのか楽しみです」
「まっ楽しみにしててよ、きっと驚くからさ。昼食ったら出ようと思うからまだゆっくりしててくれな」
そう言ってソファに座るといつものノートパソコンを開いて、いつも通りにカタカタと何やらお仕事をし始めたナツキさん。私はとりあえず、部屋に戻って出掛ける準備をする事にした。
ーーそして、お昼ご飯を食べ終えた今、私達は車に乗って移動中である。
「何処に行くんですか?」と尋ねてみたけれどナツキさんは「良いところ」としか答えてくれず、結局私は窓の外を眺めながら大人しく座っている事にした。
最近では何度か遠くへ連れて行って貰ったっていたため、だんだんと慣れてきてはいた外へのお出掛け。でもやっぱりワクワクする。今日は何処まで行くんだろう。プレゼントってなんだろう。私の気持ちは朝の晴れやかな気持ちに重なりウキウキと弾んで、正に上機嫌そのものだった。
そして到着したのは大きなビルの地下駐車場だった。そこに車を停めると、ナツキさんは警備の人だろうと思われる制服の男性に、「お疲れ様です」と挨拶をしながらカードのようなものを見せる。するとドアから中へと入れて貰うことが出来た。