ここに在らず。
そこへストップをかけたのは、少し呆れたようなナツキさんの声だった。ハッと意識をナツキさんに戻した私は、声同様のその表情に、なんだか懐かしさを感じたりする。
それでもナツキさんは、「なんて顔してんだよ」なんて言いながら、私に答えを教えてくれた。
「あんたは答えそのものだ。変わっていくあんたもその答えで、だからトウマさんはいつもあんたを追いかけてる」
「……え?」
変わっていく私も…答え?
「色が増えたろ?色はあんただ」
そう言ってナツキさんは先程のファイルをペラペラと捲る。始めは黒しかなかった色は、今は三色に増えている。
「だんだんと色を変えていくあんた。あんたに合わせて色も明るくなっていって、それをあんたが着た時、そこに新たな色は生まれるって訳だ」
「……」