ここに在らず。


私に合わせて色が明るくなるって、それってつまり…


私は、そっとデザインをなぞった。そこに私は熱を感じる。この気持ちは何だろう、私はまた新たに生まれる感情を見つけて、そして理解した。ナツキさんの言葉の意味を。トウマさんの求めるものを。


「そ。何度も言うけどここにあるのは全部あんた。あんたそのものだ」


そう言って部屋を見渡すナツキさん。この部屋はその人の想いの形が集まる部屋。その想いの形は全て…私。


私が答え、それはそのままの意味だった。答えを持っているのは私。…つまり、今とか昔とかそんな区切りなんていらない、そのままの私自身の事だった。

私が答えを持っていて、私が私として生きていく事で、ずっとそれを表していくという事。それをトウマさんはずっと見ていてくれた。そしてここにトウマさんの求めていた物は形として残された。

……でも、


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