ここに在らず。


なんだかやけに嬉しそうなナツキさん。そんな彼に私は文句を言うことも出来ず、最後だという着替えを済ませた後、わざわざ私にお化粧をしてくれた女性にパタパタとそれらを直してもらって、また撮影会は始められた。

…まさか、こんな事になるなんて…これってよくテレビとかで見るやつだよね?綺麗な女の人がよくやってるあの…って、なんだか最近テレビから得た知識をフル活用している気がしなくもない。


知識があって良かったんだか悪かったんだか…なんて思いながらも誘導されるままに身を任せていると、気づけば撮影が終わっていた。そしてナツキさんに呼ばれてパソコンの方へと向かうと、その画面には女性が映っていて……って、


「…これ、私ですか?」


まさか自分を見間違えるなんて、そんなそうそうしないような珍しい体験を今してしまった。

何故だろうかと、私はまじまじと画面を見てみる。…確かに私だ。これは今着ていた服で映っている私。今撮られた写真の私。では、一体何故違って見えたのか。

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