ここに在らず。

その問いかけでハッと我に返った私は、目に飛び込んできた彼の訝しげな表情に、また声に出してたのか！と焦りと羞恥心でパニックになりかける。…が、違う違うと。これは私の妄想だと自分に言い聞かせる。

でも…本当に？

本当に夢？


でた、またあのループ。夢にまで出てくるなんて、なんてしつこいのだろう。

…いや、夢だから、私の中だから出てくるのかも。でも夢の中くらい幸せにしてくれても…でも、本当に夢なのかな。いや、夢なのだけれど。でも…やっぱり、


「…トウマさん」

「ん？」

「実は、すごくお伺いしたい事がありまして」


…私はもう、私の夢のトウマさんに決めてもらう事にした。