ここに在らず。
無理だと思った。私じゃあどうしても現実であって欲しい気持ちが強すぎて、勝手にループにハマっていくだけだ。もうここはトウマさんに決めてもらおう、そう思った。
それが妄想の彼のものだとしても、それでも自分の言葉より彼の言葉の方が信用出来ると思った。彼が現実というのならもうそれでいい。夢だというならまたそれはそれ。結局彼は私の想いから出来ているのだから、どちらを言い出しても可笑しくは無いだろう。確立は五分五分。
「…あの、これは夢……ですよね?」
…結局、口にした瞬間、物凄く後悔した。
自分の夢の中でこれは夢かって、私は何を言ってるんだろう!それこそ訳が分からない!夢ですか?って聞こうとしたのに、だからつい、つい夢ですよね?なんて、ですよねって、そんな聞き方したら結局夢だって事に…まぁでも結局聞き方なんてどうでもいいのだけれど!本当に、本当に、もう、どうせ夢なのに!
「…君はどう思う?」