ここに在らず。
「…はい?」
まさかの返しに、私は思わず聞き返してしまった。するとトウマさんは「君はこれを夢だと思うか?それとも現実だと思うのか?」なんて丁寧に言い直してくれる。
「わ、私ですか…」
そんなの、それが分からないから聞いたのに……って、違うか。分かっているけれど、もしかしたら、なんてただ目を逸らしているだけ。
「…これは、夢です」
何故か気まずくて、私は俯いてしまった。何が気まずいのかはさっぱり分からなかったけれど、この時抱いた感情はそんな感じだったと思う。
「…そうか」
トウマさんの声が聞こえる。
「それなら、君の会いたい時にいつでも会える」
「……え?」