ここに在らず。


「い、いや、そうではなくて、そういう事ではなくてですね、えっと、なんだろう。なんて言えば良いんだろう……えっと…あのですね、トウマさんは敬語でお話しされないですよね?えっと、私のクラスの子達もですね、お互い敬語では無いですし、私が敬語で話すと上手く言えないのですが、嫌がる…というか、変な目で見られる事がよくあったんです…今では、向こうも慣れたようですが…というか、今ではすっかり話もしないのですが…って、それはそれで良いんです。えっと、つまり、つまりですね?」

「うん」

「態度がどうとかではなくて単純に、トウマさんはどう思っているのかなと。トウマさんは敬語がお嫌いなのかなと。もしそうだったら嫌われてしまう前に変えたいなと思いまして……だって私、だってこれからもトウマさんと、お話ししたくて…」


…結果、そういうこと事だ。トウマさんに嫌われたくない。トウマさんと話したい。それだけだ。

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