ここに在らず。
気付いた気持ち、質問の意図。言葉にするとそれはすごく恥ずかしくて、私はトウマさんからスススと目を逸らした。なんだか冷や汗すらかき始めた気がする。
「……そうか」
すると、そんな私の耳にトウマさんの声がダイレクトに入ってきた。
「そうか、そういう事か…」
なんてしみじみと言われると、私は余計に視線を元には戻せない。あぁなんでこんな事を言ってしまったのだろう。こんな事を言われてトウマさんも困ってしまったに決まっている。
後悔の渦の中で私の心臓は嫌な動きをしてみせる。うう、心臓が苦しい…なんて思うが治し方を知るはずもなく、悪戦苦闘する中でようやく、私の耳に次の言葉が飛び込んできた。