ここに在らず。
何かを聞いて答えが返ってくる。その答えを聞いて彼がどんな人物なのかを想像してみる。この作業はとても楽しかったし、胸がワクワクした。
そして段々と作り上げられていく彼の人物像に、“夢の中のトウマさん”、ではなく“トウマさん”としての彼が私の中で成り立ち、それが余計に現実感を漂わせた。そのおかげでつい嬉しくて、どうでもいいような質問ばかり繰り返してしまう自分。
もう、夢の中で会えるトウマさんは、夢の中だから会える、私だけのトウマさんだと思った。
特別な、私のための存在。
現実では無いここだから在る、独自な存在。
「ーートウマさんは、いつもフードを被られてますね」
私は今日も、隣に座る彼に問いかける。