ここに在らず。
独りの世界は怖い。
私はそれが恐ろしくて仕方ない。
でも、今までの世界には私たった一人しかいなかったけれど、今はどうだろう。
彼に…トウマさんにもう会えないと分かった時。トウマさんを想う時。そこには確かに独りの世界の時とは違う孤独感があった。
それはきっと外の世界のほんのわずかな欠片。それでも私には分かったような気がする。
そこにはきっと、希望の影に絶望がある。
独りではない賑やかさの代わりに、たった一人の寂しさが募る。
それは独りではない事を経験したからこその感情……そうか、そうだ。初めてトウマさんに会ったあの日。私は彼にそれは孤独だと教わった。ずっと孤独の中に居たはずなのに、彼に言われてようやく気付いたそれ。