ここに在らず。

さっぱり訳の分からない行動に、その日は一日その意味についてじっくり考えるはめになったのだけれど、結果は分からず仕舞い。

ただ単に本を読みに来ただけだったのかなぁ？でも、だったらわざわざ声掛けてなんてこないだろうし…

なんだかなぁ…



なんて首を傾げたその日から数日後。またもやその人は図書館に現れた。そしてまたもや私の隣の席に腰をおろし、またもや私に声をかけてきた。


「やっぱり居たな。もしかして絶対居るんだろ」

「……」

「…え、何？またシカト？」

「い、いえ、ちょっと驚いてしまって…」

「そうか？そりゃあ悪い事したな」


なんて言うとその人は、机の上で本を広げた。あ、今日は本持って来たんだ…なんて目をやると、私のその視線にその人も気づいたらしい。