スイート・リトル・ラバーズ
シンとのことを思い出していると、
「あなたはね、これからどんどんどんどん幸せになっていくんですよ」
とおじいさんはそう言った。
「何でか分かりますか?」
聞かれたから、私は首を横に振った。
「今までずっと苦しい思いをして生きてきたからです。世の中はね、ちゃんと公平にできていて、苦しんだ分はあとで必ず返って来るようになっているんですよ。それを分かっていてもね、その男の人、あなたからずっと離れないんですよ。何でか分かりますか?」
そこで私はまた首を横に振った。
「あなたが心配で仕方ないからです。高校生の時にあなたに告白したのもね、始めからあなたを守るためだったんですよ。あなた自身は普通の振りをしていたみたいですけどね、その人はちゃんと分かっていたんですよ。寂しくて仕方なかったって。今までよく頑張って生きてきましたね」
そこでだった。
私はボロボロと涙をこぼした。
「人間はね、死んだあとも誰かのことを守ることが出来るんですよ。その人ね、あなたがこの世での役目を終えるまでずっと側にいるつもりなんですよ。ここに来たのもね、彼が仕向けたんです。私とあなたが出会うようにって。最後に言いたかったのに言えなかったこと、私に言ってほしいんですって。何だか分かりますか?」
私はそこで初めて首を縦に振った。
もうこの頃には涙は嗚咽(おえつ)に変わっていて自分でも止められなかったけれど、そんなことはどうでもよかった。
私がひたすら泣いていると、そのおじいさんは最後にこんなことを言った。
「亜里沙さんに会えて良かった。今までずっとありがとう」
「あなたはね、これからどんどんどんどん幸せになっていくんですよ」
とおじいさんはそう言った。
「何でか分かりますか?」
聞かれたから、私は首を横に振った。
「今までずっと苦しい思いをして生きてきたからです。世の中はね、ちゃんと公平にできていて、苦しんだ分はあとで必ず返って来るようになっているんですよ。それを分かっていてもね、その男の人、あなたからずっと離れないんですよ。何でか分かりますか?」
そこで私はまた首を横に振った。
「あなたが心配で仕方ないからです。高校生の時にあなたに告白したのもね、始めからあなたを守るためだったんですよ。あなた自身は普通の振りをしていたみたいですけどね、その人はちゃんと分かっていたんですよ。寂しくて仕方なかったって。今までよく頑張って生きてきましたね」
そこでだった。
私はボロボロと涙をこぼした。
「人間はね、死んだあとも誰かのことを守ることが出来るんですよ。その人ね、あなたがこの世での役目を終えるまでずっと側にいるつもりなんですよ。ここに来たのもね、彼が仕向けたんです。私とあなたが出会うようにって。最後に言いたかったのに言えなかったこと、私に言ってほしいんですって。何だか分かりますか?」
私はそこで初めて首を縦に振った。
もうこの頃には涙は嗚咽(おえつ)に変わっていて自分でも止められなかったけれど、そんなことはどうでもよかった。
私がひたすら泣いていると、そのおじいさんは最後にこんなことを言った。
「亜里沙さんに会えて良かった。今までずっとありがとう」