スイート・リトル・ラバーズ
2、秘密
私には秘密があった。
中学校の半分を登校拒否していたということと、父親が何人も代わっているということだった。
だから、私はお世辞にも恵まれた環境で育っているとは言えなかった。
何度も親から暴力を受けたし、ひどい時には母親が連れて来た男に手をかけられそうになったこともあった。
そういう時は全力で逃げた。
歩いて1時間くらいかかる公園に逃げ込み、そこでボロボロ泣くのだけれど、私を助けてくれる人間は誰もいなかった。
母親は私を自分の子どもだとは思っていないみたいだった。
食事なども手抜きで、2、3日ご飯が出ないなどということもザラだった。
でも捨てられるという恐怖から、私は文句を言ったことなど一度もなかった。
そんな私だから、自己評価が低いのは当たり前で、学校ではよくイジメの対象にされた。
中学校の時が特にひどくて、もしかしたら殺されるのではないかというくらい痛めつけられた。
命の危険を感じたから、学校には行く振りだけをして、あとはずっと家からだいぶ距離のある図書館に逃げ込み、そこで本を読んで過ごした。
進学のことがあるから中学3年生の夏休み以降は無理をして学校に行ったけれど、勉強が付いていけなくて入れる高校はかなり限られていた。
だから、誰でも入れる高校に進学したのだけれど、恐怖心があるから人とまともにコミュニケーション出来なかったし、まず何よりも私は自分に自信がなかった。
そんな私だから人に対する警戒心はすごく強かった。
それはシンに対しても同じで、表向きは普通に振る舞っていても、心の中はいつか傷付けられるかもしれないとビクビクしていた。
中学校の半分を登校拒否していたということと、父親が何人も代わっているということだった。
だから、私はお世辞にも恵まれた環境で育っているとは言えなかった。
何度も親から暴力を受けたし、ひどい時には母親が連れて来た男に手をかけられそうになったこともあった。
そういう時は全力で逃げた。
歩いて1時間くらいかかる公園に逃げ込み、そこでボロボロ泣くのだけれど、私を助けてくれる人間は誰もいなかった。
母親は私を自分の子どもだとは思っていないみたいだった。
食事なども手抜きで、2、3日ご飯が出ないなどということもザラだった。
でも捨てられるという恐怖から、私は文句を言ったことなど一度もなかった。
そんな私だから、自己評価が低いのは当たり前で、学校ではよくイジメの対象にされた。
中学校の時が特にひどくて、もしかしたら殺されるのではないかというくらい痛めつけられた。
命の危険を感じたから、学校には行く振りだけをして、あとはずっと家からだいぶ距離のある図書館に逃げ込み、そこで本を読んで過ごした。
進学のことがあるから中学3年生の夏休み以降は無理をして学校に行ったけれど、勉強が付いていけなくて入れる高校はかなり限られていた。
だから、誰でも入れる高校に進学したのだけれど、恐怖心があるから人とまともにコミュニケーション出来なかったし、まず何よりも私は自分に自信がなかった。
そんな私だから人に対する警戒心はすごく強かった。
それはシンに対しても同じで、表向きは普通に振る舞っていても、心の中はいつか傷付けられるかもしれないとビクビクしていた。